マウンドをジリジリと焼く日差し
うっすらと立ち上るかげろう
キャッチャーミットまでは約20メートル
私は自慢の腕を大きく回して渾身の一球を投げた
ズバンッ!
小気味のいい音を立てて白球はミットへ沈む
そして審判が高らかに試合終了を告げた
私はマウンドの上で大きくガッツポーズ
キャッチャーへ満面の笑みを向ける
無骨なマスクを取った私の親友もまた、全力の笑顔だった
うっすらと立ち上るかげろう
キャッチャーミットまでは約20メートル
私は自慢の腕を大きく回して渾身の一球を投げた
ズバンッ!
小気味のいい音を立てて白球はミットへ沈む
そして審判が高らかに試合終了を告げた
私はマウンドの上で大きくガッツポーズ
キャッチャーへ満面の笑みを向ける
無骨なマスクを取った私の親友もまた、全力の笑顔だった
チームのみんなとハイタッチを交わしてベンチに戻ると
監督がダンボール箱を開けて言う
「みんな今日もお疲れ様!スポーツドリンクを用意したから、どんどん飲んで!」
私たちは歓声を上げてそれに飛びついた
チームメイトの倍の数は用意されていたスポーツドリンクはあっという間に無くなり、
私たちはみんなおなかをタプンタプンにしながら帰路についた
「うー、おなかいっぱいだよ」
河川敷を歩きながら、チームメイトの誰かが言う。
「私も。 二本も一気飲みしたのはマズかったなぁ」
「でも、すっごく暑かったもんね」
「シャツが搾れそう」
そんなことを話ながら、私たちは中学校まで歩いて戻っていた。
うちの中学校はグラウンドが狭く、いつも運動部で取り合いが起きる。
そんなわけで私たちは、遠く離れた市営のグラウンドまで足を伸ばして居たわけだ。
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