レーダーに表示された機影は全部で4機。
ビルの合間を縫って機体を走らせる。
対機甲兵刀を振りかざして飛びかかってきた機体を打ち抜き撃墜。
正面に現れた機体の銃撃を飛び上がって交わし応射、撃墜。
着地の瞬間一瞬ブーストをふかし、それを遅らせる。
今まさに降りんとしていた地面は高出力のレーザーによって溶かされた。
融解したアスファルトに降り立った機体は着地と同時に煙幕を張る。
一瞬の沈黙。
濛々と立ちのぼる煙幕の中から飛び出した機影により、また一機の機甲兵が地に倒れた。
ビルの合間を縫って機体を走らせる。
対機甲兵刀を振りかざして飛びかかってきた機体を打ち抜き撃墜。
正面に現れた機体の銃撃を飛び上がって交わし応射、撃墜。
着地の瞬間一瞬ブーストをふかし、それを遅らせる。
今まさに降りんとしていた地面は高出力のレーザーによって溶かされた。
融解したアスファルトに降り立った機体は着地と同時に煙幕を張る。
一瞬の沈黙。
濛々と立ちのぼる煙幕の中から飛び出した機影により、また一機の機甲兵が地に倒れた。
「不甲斐ない、まったくもって不甲斐ない」
コックピットの中で操縦士が呟いた。
ディスプレイ越しに残る一機が睨まれる。
一瞬で小隊が壊滅した恐怖か、闇雲にこちらへと撃つその弾丸を颯爽と躱した機体は
寸分違わぬ狙いでコックピットを打ち抜いた。
廃墟と化したビル群にただ一機残ったのは純白の機甲兵。
わずかな傷もなくただ陽光にきらめくその姿は優美な彫刻すら連想させた。
戦争における地上兵器の中心が身長15メートルほどの人型兵器、
『機甲兵』に取って代わられたのはおおよそ10年前。
ただ歩行して銃弾をはき出すだけの機械だったそれは、今や超人を思わせるような運動性と火力を得るに至った。
その機体は周囲を見渡しレーダーに反応がないのを確かめると、ゆっくりと帰投を始めた。
数キロ離れた地点で待っていたのは一台の超大型トラックとツナギを来た一人の女性だった。
手を振る女性に機甲兵も軽い挙手で堪え、その機体をゆっくりとトラックの上へ横たえた。
機甲兵の胸部のハッチが重厚な音を立てて持ち上がる。
コックピットを覆う重い装甲の下から這い出てきたのはピッチリとしたスーツに身を包んだ少女だった。
その少女はヘルメットを外すと、長い髪を軽く振った。
ヘルメットを小脇に抱え、機体からするすると降りてくる少女は複雑な表情をしていた。
「4機相手に3分半!新記録だね!」
ツナギの女性が少女に明るく声をかけた。
「別に記録を目指してるわけじゃないわ」
少女は気だるげに返す。
「そうは言っても、早く処理しなきゃならない問題があるだろう?」
女性の一言に少女は険しい目線で答えた。
「うるさいうるさい!シャワーあびるからボイラーつけてよっ」
「はいはい、お疲れ様でしたね、レイ」
レイと呼ばれた少女は怒った顔でトラックの居住部分に入り、そのままシャワー室へ直行した
コックピットの中で操縦士が呟いた。
ディスプレイ越しに残る一機が睨まれる。
一瞬で小隊が壊滅した恐怖か、闇雲にこちらへと撃つその弾丸を颯爽と躱した機体は
寸分違わぬ狙いでコックピットを打ち抜いた。
廃墟と化したビル群にただ一機残ったのは純白の機甲兵。
わずかな傷もなくただ陽光にきらめくその姿は優美な彫刻すら連想させた。
戦争における地上兵器の中心が身長15メートルほどの人型兵器、
『機甲兵』に取って代わられたのはおおよそ10年前。
ただ歩行して銃弾をはき出すだけの機械だったそれは、今や超人を思わせるような運動性と火力を得るに至った。
その機体は周囲を見渡しレーダーに反応がないのを確かめると、ゆっくりと帰投を始めた。
数キロ離れた地点で待っていたのは一台の超大型トラックとツナギを来た一人の女性だった。
手を振る女性に機甲兵も軽い挙手で堪え、その機体をゆっくりとトラックの上へ横たえた。
機甲兵の胸部のハッチが重厚な音を立てて持ち上がる。
コックピットを覆う重い装甲の下から這い出てきたのはピッチリとしたスーツに身を包んだ少女だった。
その少女はヘルメットを外すと、長い髪を軽く振った。
ヘルメットを小脇に抱え、機体からするすると降りてくる少女は複雑な表情をしていた。
「4機相手に3分半!新記録だね!」
ツナギの女性が少女に明るく声をかけた。
「別に記録を目指してるわけじゃないわ」
少女は気だるげに返す。
「そうは言っても、早く処理しなきゃならない問題があるだろう?」
女性の一言に少女は険しい目線で答えた。
「うるさいうるさい!シャワーあびるからボイラーつけてよっ」
「はいはい、お疲れ様でしたね、レイ」
レイと呼ばれた少女は怒った顔でトラックの居住部分に入り、そのままシャワー室へ直行した
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